[何故こんなことをすると、問われたことがある。
全てを救えるわけでもないのに、偽善者だと言われたこともある。
それは、その通りだ。
自分の手は無限じゃない、こうすることで救えるとも限らない。
けれど、だからこそこうしたいのだと、そう答えた。
あの時失った存在があるからこそ、せめて同じ思いをしている子供がいるなら、その傍にいたいと思った。
自分には何もない。
ただ、物語を書いて伝えることしか出来ない。
他には何も出来ないから、せめて。
共に過ごし、共に育ち、巣立つ子らを見送ることを決めた。
これから先も、きっとずっと、こうしていく。
私の出来ることは、これくらいしかないのだから。**]