[死んだら、場が壊れたら、すぐに消えると思っていたものの、そんなことはなかったらしい。
それなら、自分は今度は先に消えるつもりはない。もう泣かせたくはなかった。
そんなことを考えながら、起こさないように身をすこし寄せて、頬に片手を触れさせる。
じっと見ていても動かないから、一度目とおなじように、ふれるだけの口付けをした。
自分の感情のありかはわかっている。
ただその言葉は口にしない。今ここにいるだけで十分だから。
多分、目が覚めたら、またいつものように声をかけ、いつもと少し違う距離で話をして。
少し変わったこの関係を何と言おうか。
考えてもわからないから、寄り添ってそっと目を閉じた。
わかっているのはただ一つ、この少し若くなった体だと、彼より背が低いのが、自分でははっきりとわかるくらいだった**]