─ 墓地 ─
この事は皆触れようとはしなかったからさ
…本当は、ずっと誰かに聞いて欲しかったんだ
[暗黙の了解。ある種の禁忌とされた話題は普段上ること無く。]
お爺ちゃんも、父さん母さん、弟も
皆僕を置いていってしまったよ
クロエ達だって……もういないから
[娘の所為ではないと主張する少年に口許は仄かな笑みを向ける。困らせてしまったのかと想えばふるりと頸を横に振った。]
…僕の大切な人達は、皆居無くなっちゃうんだ
だから、今回の騒動で人狼が居たって聞いた時はさ
…ああ、やっと僕も連れてって呉れるのかなって想ってた
[謝罪は生きている内にしか出来ないことだから。
娘がどうなっても好かったと思えたのは、其処で。]