―聖殿―
[巫女の解放と堕天尸の浄化の法は既に流れていて、聖殿の前の広場にはすでに多くの住人が集まっていた。その正面に立つ長老の前へと降り立ち、一礼する]
ただいま、巫女を連れ戻りました。
[「ご苦労だった」と、頷く長老に、ひたと視線を向ける]
はい。ですが、一つだけ気掛かりなことが。
[怪訝そうな、そして僅かに不安そうな顔で「気掛かりとは?」と問い返した長老の前で無表情のまま口を開く]
結界樹に封じられた者達を見ましたが、ほとんどが堕天尸と見えない者ばかりでした。聞けば長老は堕天尸となった者や、それに協力した者の言いなりであったとか。