─ある日の王城─……んーと、こないだ発生した『歪み』は正したから……。しばらくは、全体的に、安定してる、な……。[部屋の中央、天窓の下の台座に置かれた一抱えほどの水晶球。適性のないものには、単なる飾りとも見えるそれは、気脈を映す力を秘めたもので。因果律の『歪み』を察知するための重要な道具]やれやれ、しばらくは名実共に昼行灯でいられ……。[るか、と。言い切る前に聞こえて来たのは、派手な破壊音]