どれだけ、って。
……まあ、かなりあったのは、確かだな。
正直、余計な事は何にも言わずにいよう、って。
そう……思ってたし。
[じとりとした視線に、浮かぶのは苦笑]
ん、時間は確かにあるし。
……とりあえず、俺が村を出た理由と、向こうで何やってたか……辺りから、かな。
[言いつつ、記憶を辿るように目を閉じて。
ゆっくりと、話し始める]
[発端は、病の発作と、『力』の兆し。
亡き母から引き継いだ二つの要素。
それに対する正しい知識を身に着けさせるべく、祖父が導き手として選んだのが、同じ力を持つ一人の医師。
その住まいの近くに、自身の弟子である天文学者が住んでいた事もあり。
祖父は、そこで天文学を学ばせる、と言う名目で自分を送り出した]