[残った二人きりの幼馴染同士、互いを慰めるためか、お互いにその存在をつなぎとめるためにか、
寄り添うように共に寝て、ゲルダがうなされ、時に飛び起きることもあれば、
ぎゅっと抱きしめ、その背や頭を撫でたり。
自分が、正気を保てたのは、そのことがあったからかもしれない。
起きるのは共に目が覚めるときに、寝るのは共に夜が更ける前に]
ゲルルンは…ふっかふかだな…。
[いつものような軽口は、幾分かやはり元気のないものになっていたかもしれない。
昔に、幼馴染同士、いまは二人足りないそのぬくもりは、少し寂しく、
それでも確かな温もりは、心をつなぎ止める、鎖となっただろうか]