[事件から二、三日が過ぎた朝のこと、
その日は、昔のように朝早くに起き、朝食の準備をしていた。
リズム良く、小気味のいい包丁の音を響かせて。
起きてきたゲルダが顔を見せれば、明るく笑いかける]
おはよ、ゲルルン。
今朝食の準備をするからな。
[あっけにとられた様子のゲルダに、そっと瑠璃のダイスを差し出して見せて]
導かれたんだ。
[そう、短い言葉だけを。
常のような明るい笑顔と、その調子に幼馴染は笑い返していた]
ゲルルンが笑ってくれると、私も嬉しいな。
[それから二人朝食の準備を始めて、宿屋が本格的な再開をはじめるのは、橋が復旧し父親が戻ってすぐのこと**]