人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


研究生 エーリッヒ

「……ああ、大丈夫だ。
 さて、それではもう一つの目的を果たすとするか」

[白猫を撫でた後、こう言って青年は教会の方へと向かう。
司祭と話し、研究仲間が良く調べ物をしていたと言う書庫を見せてもらった後。
青年が願ったのは]

「……こちらに、ピアノがあるなら、弾かせていただきたいのですが」

[唐突な申し出に困惑する司祭に、青年は手にした楽譜を見せ]

「……彼が眠るこの地で。弾いておきたいのです」

[そう、告げた時の表情のためか、その言葉そのものに感じるものがあったのか。
いずれにせよ、司祭は青年を礼拝堂へと誘う。
大きくはないが、使い込まれたピアノ。
その鍵盤に指を下ろした青年は、形見となった楽譜に添い、旋律を織り成してゆく]

(1475) 2011/01/19(Wed) 20:40:31

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