「……叶うなら。 お前がこの楽譜を渡せる唯一の相手だ、と言い張っていた奏者殿とも、合わせてみたかったのだがな。 まったく。馬鹿エリィめ」[一頻り、旋律を紡いだ後、青年はぽつり、とこう呟く。俯く様子に白猫が案ずるような声を上げると、青年はそちらを見て]「……さて、ここまで来たのだから。 繁縷姫にも、会って行くか、木蓮姫?」[冗談めかした口調で問いながら、微か、笑む。それに答えるよに、白猫はなぁ、と鳴いて尾を揺らした**]