青年 アーベル

>>1470
[離れたくない、との言葉に。
蒼と紅に、ふと、陰りが落ちる。
ああ、そうか、と。今更のような実感。
でも、例えそれを得ても、意思が揺らぐ事はなく]

二人とも、森の中。
リディは、昔の遊び場所に。
ブリスは、あいつの家族の側に。
それぞれ、ねむってる。

[問いに答えつつ。
掴まれた手と、零れた涙と。
どうしようかと、逡巡して。
そう、と。離させる]

……痛い思いは、させたくない、よ。
泣いてるのも、あんまり、みたくないんだけど、な。

[困ったような、言葉と共に。一歩、後ろへ下がろうと]