や、さ。うちの団長が「お前ちょっとここに行って特訓して来い」っていうもんだから、あんたが相手なんだろ?
[こいつ人違いの可能性を毛ほども感じていませんでした。
むこうの名乗りに瞬き一つ。剣持たぬ手で鼻を掻いて。]
おっと失礼、俺はダーヴィッド=シュヴァイガート。
この先にある廃坑山の村の自衛団員だ。
[この空間の“先”であるはずは無いのだが、
当人はその辺さっぱり解っていなかったりする。
そんな鈍さ極まれリの霊能者だった。]
おおこっちこそよろしく!
[挨拶に突っ込むほどの頭は持ちえておりません。
向こうの宣言の後、掲げていた片手剣を両手で持ち直すと
下段からの閃光に合わせるように、剣先を斜めに向けて受ける
思った以上に重い一撃に顔を顰めるが、そこは体力馬鹿。剣を落とすような真似はせず、逆に一歩地に足踏み込んで、
真下に押し込み弾いて距離を取ろうと。]