[時計塔の上、襤褸布を身に纏い、カチコチと時を刻む懐中時計を腰に垂らした老婆が眼下を見下ろす。それは、何時だったかベアトリーチェが傷を癒した老婆
だがしかし……カチンという音がしたと思うと、腰の時計が高速で逆回転を始める。すると、その姿はどんどんと若返って行き、緑髪を二つの三ツ編みにした少女の姿へ]
ふぅん、虚竜様の眷属もやるねぇ
はぁ、私も一人くらいああいう優秀なの欲しいもんだわ
そうすれば、もっと好き勝手出来るのにねぇ
[物憂げにそう呟き、そのまま立ち去って行くオトフリートを見ていたが]
……さて、ハーヴに見つかってお小言言われるのも面倒だし、私もお暇させていただきますか
[そう呟くと懐からカードを取り出すと、虚空にピッと投げる
空中でカードは複雑な魔方陣を展開し、異次元へのゲートを開く]
じゃあね、また面白いことがあれば
[誰にともなくそう言うと、ゲートの中へ*消えて行った*]