[彼の存在がまだ在るかどうかはわからない、けれど。
今、この子たちを置いていったら、多分彼は怒るだろう。
そんなことを思い微かに苦笑しながら、どういうことか解らないという顔をして首を傾げる子の頭をやわらかく撫でて。]
これから先、貴女が大きくなって。
お姉ちゃんみたいに、大切な人と結ばれて、家族を作って。
もっといっぱい、いっぱい笑顔になれるようになって。
そうなったら、会いにいけるかも、しれないわね。
[そう言って微笑んだ自分を、不思議そうに見ている子に家の中に入ろうと促して。
戸を開ければ其処に居たのは数匹の繁縷色の小猫が出迎えてくれた。**]