[無論獣の危険性なんて認知できるはずがない。
時間があればきっと撫でに行ってたでしょう。]
っとお!?
[軽いが手ごたえあった一撃に、向こうは引くだろうと思っていたので、更に喰ってかかられるとは思わず対応は遅れた。
踏み込まれた先、左肩への一撃を、身体を捻りかわそうとするが、剣先は既に肩を捕らえており、軽く肉が削げて鮮血が舞った。
痛いのは大丈夫。大丈夫なんだ 血 を 見 な け れ ば。
散った赤なぞ見てない見てない、と言いきかせるより体の動きは早い。日頃の鍛錬極まれリ。…体の動きより顔色の悪さの方が早いのはもう仕方ないのだが。
青は懐にいたか、それとも離れたか。なるべく距離を取られないうちに、バランスを崩しかけた身体を気合でふんばらせ。相手の左胴に向けて、気合一閃。斜め上から刃を振り下ろした。]