[壁を利用して飛びまわる少年。軌道が読めぬことに苛つき視線で追いながら]
てめぇは虫かっ!
くっそ、マジで鉄環手つけるんじゃ無かった…!
[自分に負荷をかける補助具である鉄環手。眼で追えたとしてもこれでは反応が遅れるのは必至。出来るのは受けるのを覚悟で極力ダメージを減らすことくらいだろう]
んなろっ!
[それでも抵抗しようと、右手に填めた鉄環手の一つを外し、飛び交う少年へと投げ付けた。勿論、当たるはずも無いのだが。それが余計な一手だった。投げつけたのを切欠とし、隙をついて少年が道士へと矛先を向ける。完全に背後を突いた一撃に反応した時は既に遅く、腕を掲げることはおろか、身体を僅かに逸らすことしか出来なかった。少年の一撃は道士の左の肩を深く抉る]
っ……!!
お、終わり! お遊び終わりっ!
[少年が尚も向かって来るようなら、右手で左肩を押さえながら、制止させるように左腕を突き出すことだろう]