そりゃ、一方的に、は互いに面白くないよなっ。
[弾かれる銀の刃。緋は散るが、想定よりも手ごたえは浅い]
相変わらず、変則的な動き……っと!
[軽口を叩きつつ『半身』を引き、きり返しから横薙ぎの一閃を狙おうとするものの。
それを阻むよに漂う香に柄から左手を離し、深紅のマフラーを引き上げる。
そのまま、左腕を翳し、目への一撃は腕で受けた。黒のコートの袖が裂け、あかが零れる]
……文字通りの、搦め手、なんだよなぁ、もう。
[文句を言いつつ、軽く飛びずさって距離を取り、再度、両手で『半身』を水平に構える。
香をまともに吸い込むのは免れたが、多少は影響があるらしく動きが僅かに鈍い]
っていうか、あー、勿体無い。
[それでも、自身の腕から零れるあかに、軽口を叩く余裕はあるらしい。
虚勢か否かはさておき]