>>1528……、そう。[眼を伏せる。 手は、己の胸元に。 きゅと、握った]外を知らなかった私を、連れて行ってくれるって、それで――でも、本当は、追われるのから逃げるためで。捕らわれていたのにも、気づけなくて。[断片的なことばは、覚束ない]私は、何も、知らなかった。……知れなかった。近くに、いたのに。