-回想-
[大婆の命はあの男を殺せというものだった。理由は知らない。知る必要がない。
だが男は血の海に沈んでいる。手を下したのは勿論自分ではない。
他にも何人もの倒れたモノ。
何故倒れているのか、何があったのか。理由は知らない。知る必要がない。
ただそれをしたモノが中央に立ち、天を見上げている。
人でないモノだとは理解できたが。
それよりはさて、大婆の命令は既に為されたけれどどうしようかと思っていた矢先に、ソレが此方をみやり話しかけてきた。
小百合はけらりと笑い、その虚ろな目を見返す。]
アンタを?
残念。そんな事言われてないもの。
[問われた内容は、端的で。人の響きはまだない。]
アンタナニモノ?
[面白いものを見つけたと。にぃと、口が歪めながら、そう問うた。]