─王都─[ナターリエのダンジョン探索に付き合わされたりなんだりしつつ。外泊申請をして、久しぶりに訪れたのは、王都の一画。宮廷占星術師を勤める後見人は、中央からやや離れた所に、ひっそりと邸宅を構えていた]…………。[月と星を象った意匠の施された、門の前。黒のマントにすっぽりと包まった、傍目怪しい様子で立ち尽くす]『……アル?』[明らかに躊躇う様子に、漆黒がそう、と名を呼んだ]ん……わかってる。ここまできて、逃げるなんて、情けないもんな。『……』