答えは知らない。答える術は無い。[吹き荒れる風は室内を巡るも、向かう先は一つ。 恐れる事も無く、影を見る。] 私は人の手により生み出された存在であり、人としての形を有しながら、「魂」を宿すための「器」に過ぎず、己が意志を持つことも無い――ただの人形だった。その事に、疑問すら抱かなかった。[声は聞こえるか、否か。 銃は腰に、小刀は手に。]それに比べれば。己が存在に疑問を抱く貴様はずっと、「個」たる存在に見えるがな。[刀は未だ、目覚めぬが――]