…………ゼ、ル…?[扉の向こうから聞こえた声に、目を瞠った。そして、入ってきたのは、まさか、と思った相手で。自分が知る姿と違うのは、彼の身体に泥のような黒が纏わりついていること、だったけれど。]…っ、ゼル───…!!![彼が此処にいる、そう思った次の瞬間には駆け出してその胸に飛び込んでいた。触れた闇は、熱いような、焼けるような痛みがあったけれど、それでも構わずにぎゅっと抱きついて。]