「てっめ! いきなり何しやがるっ!」[ごいーん、と。物凄く、物凄くいい音と共にヒットした銀のロッドに、嵐竜王はさすがに怒鳴り声を上げる]るっせぇ!人にあんだけ苦労させて、なぁにお気楽構えてんだよ、このっ……。[続く言葉は、途切れる。言いたい事なら、山ほどあったはずなのに。義兄は微かに眉を寄せてその様子を見つめ、そして]「……ティル、あのな」……なんだよ。「……俺だって、苦労はしとったわいっ!」[再び響く、鈍い音。金髪の上には、がちりと落とされた拳が一つ]