[母親はその子にエルザの服を手直して着せた。スカートは髪が長くなってからがいいかしらと、余った柔らかなスカートをズボンにかえてはか
せたら、とてもよく似合っていた。
父親を母親に任せると、殺戮現場を見せないよう、妹の手を引いて村を案内する。カヤは子供らしく至る所に視線を巡らせた。
時折、何も無いように見えるところにまで、視線が止まる。
不思議に思いよく目を凝らすと、そこにはぼんやり人の影が映っていた。]
………カヤ、えーと………見えるのか?
「……お兄さんも?」
[二人でお互い顔を見合わせ、驚いた。
同じ秘密を共有すれば、打ち解けるのは早かった。]