─北館・とある月闇学科導師の部屋─
[気の合う教え子との会話の後、一人となったその部屋で無口な男は机にてカードを手にする。
机に広げた22枚のカードを右手で回転するように混ぜ。
何度か繰り返した後にカードを纏め、一つの束を作る。
そこからいくつか山を分けて、再び一つに戻し。
扇状に広げたカードの中から一枚、選びだして机の上へと置いた]
[最近興味を持ち始めた占い。
その中のタロット占い……ワンオラクルの手法である。
呼吸を整えるかのように一拍置き、机に置いたカードを表へと捲った]
『………隠者………正位置………』
[滅多に発されることの無い男の声が、静かに部屋に響く]