……じーちゃ……ん?
「そう、呼ばれるのも、久しぶりじゃな」
……呼ばれなくなったのは、誰のせいだよ。
[向けられた言葉に、返すのは憎まれ口。翠は伏せていたから、その時の団長の表情──どこか困ったような、でも、穏やかなそれは見えてはいない。
そして、話したい事が、言いたい事があるはずなのに、それも言葉にできなくて。
手のぬくもりを感じながら立ち尽くしていると、乗せられた手が撫でるように動き、それから]
「……済まんかった、な」
[唐突に告げられるのは、短い謝罪。
え、と言いつつ顔を上げれば、目に入るのは穏やかな、笑みで。
翠を数度、瞬いた]