[と、気合いれて構えていた―――わけだが。
若人がこちら目がけて落ちてくるのを見切ると、構えていた剣を引き身を捻り、その太刀をぎりぎりの所でかわす。
大ぶりの攻撃を寸でで避けきれば、落ちてきた青は一瞬無防備になるか。
その隙を突いて一歩、いや半歩踏み込むと、
遠慮なしに無防備な背中目がけて、上からばっさり振り下ろし遠慮なく斜めに斬りつけた。
騎士道精神なんて自衛団にはありはしません。
ちょっと気合が入りすぎて、本気で斬りつけたのに気づいたのは事が終わった後。
はっとして慌ててアーベルの傍らに立ち様子を伺う]
お、おおおっ!?
すっ、すまんやりすぎた!!
青年大丈夫………
[か?と尋ねるや否や
背中から溢れる血が視界に入り、ざああと一気に顔色悪くすると、そのまま真後ろにばたーんと倒れたとか。]