きゅあっ!
[悲鳴、ともちょっと違う声が上がった。
止まったのは一瞬、だがそれはルーンを描くか防御に入るかの二択しか許してくれなくなるだけの時間を浪費して]
『相手の力を忘れるな!』
[白い翼が大きく振るわれ、顔に向かってきた氷刃だけは防がれた。けれどカードから指を離さなかった代償に、手や足に幾つもの裂傷を作る]
流石すぎるなぁ。
大地よ、砕け踊りて、叩け。土礫!
[水に押し切られた土壁の元へとまた一枚。
脇を走ってゆく炎とすれ違うように、小さな土塊が飛び出してゆく]
リーチェ!?
[通り抜けただけで髪を炙った炎に驚いた。
再び指を走らせながら、一瞬後ろを振り返って無事を確認しようと]