[次のカードを用意している所に感じた気配。
何事か、と思うのと、火炎が通り過ぎるのは、どちらが先だったのか]
……ハデいな、おい……っと!
[思わず呟いた所に感じた、別の気配。それに反応するように、右腕が勝手に動く]
……っ! フウガ! てめぇは動くなって……。
『言っている場合か!』
[鋭い声。漆黒の龍は、右腕に絡みついたまま、迫る縛を自身に絡み付ける。
少なくとも、腕を『取られる』事にはならないが、動き難いのは変わりない。なにせ、漆黒も全力で束縛に抗うべく、こちらに噛み付いていたりするのだから。
そこに迫る、土の礫]