[吸い込まれるよな群青が空を覆い、その上に散りばめられた幾多の金が輝く頃
身重の女は音も立てずに、重い荷を苦にする事なく
歩き真っ直ぐに村の出口へと向かった。
その途中、雑貨屋にまだ灯りがともっているのに気づけば、その足は一度止まる。
暫く迷うように内から漏れる光を見ていたが、
足は暖かな光に引き寄せられたかのように向かい、雑貨屋の扉をくぐった。
控えめに開けた扉から鳴る音に、店の中に居た娘が顔をあげれば
村を歩くには大きな荷物が奇異に映ったのか、薄い緑の瞳が瞬いていた。]
こんばんは、ゲルダちゃん。
お店、まだ開いてるかしら?
[そう尋ね、娘から何を所望されるかと尋ね返されれば、
カルメンが作った子供向けの人形が欲しいと、穏やかに*告げた。*]