―碧虹の峡谷/100年後―[雨が舞い、光が踊る、碧い虹の麓で青年は立ち止まり、目を細めた。100年前の儚さが嘘のように、幻想的な碧が天にかかっている。レンズ越しの紺碧に虹を写しながら、眼差しに懐かしさと切なさが過ぎった。だが、今そこにあの時のような渇望は無い]――はい、直に参ります。[名を呼ぶ声に視線を巡らせて、【心の間】へと再び足を動かす。青年は今もまだ、峡谷と【心の間】以外の出入りを禁じられていた]