アーベル君が、少し、羨ましいな……―――
[ポツリ――同胞の心臓を喰らい、
アーベルの血を啜る女性(ひと)に向けてか、零れる言の葉。
その零れた言の葉が、青の世界響き、アーベルに届いたならば、
相手はどう思うのだろうか。
そっと、実体の無い、己が身に手をあてる。
護った約束、故に叶わなかった願い。
“3”という数字、私と君と子。
――……確かに、今生きる彼女との繋がりは、
腹の子を通じてあるけれど
“2”という数字、私と君。私と子。君と子。
――……それは、割り切れ、いつか別れるものならば
“1”という数字、私=君。私=子。君=子。
――……それならば、割り切れぬ
“1”になり(喰らわれ)たいと。]