『ねぇ、私は君の中にいますか?』[届かぬ赤の声は、今はリヒトだけに届く。死者の国にも風は吹くのだろうか。喰らい終え、皆を待つ女性(ひと)を見る紅の主の白銀がさらりと揺れた。――……それは、まるで死して尚、波立つ心のよう。けれど、生と死、“2”つの放たれた世界。それは、届かない筈の想い*]