[仔狐の姿で逃げるのは限度がある。ちたちたと駆けて居ると、後ろからモンスターハントとか聞こえた]『マジかよ! ふっざけんな!!』[全力で駆けて来る女性。更なる身の危険を感じる。自分の体力と相談して、選択したのは本来の姿─妖狐─に戻ること]『捕まって堪るかよ!』[轟と音を立て仔狐の周囲に炎が巻き上がる。紅き色が消えた頃、そこには尾を含めた全長が2m程ある、黒き翼持つ妖狐の姿があった。足止めに放たれた槍を後ろへの跳躍で躱すと、翼を広げ数枚の漆黒の鋭き羽根を射出した]