─教会─
ああ。
名を、教えられてはいなかったのでね。
楽器の弾き手である、というから、私は奏者殿とお呼びしていた。
……大切な友だと、言っていたよ。
[>>1651 首を傾げる少女に、当時を懐かしむよにこう説明して。
涙ぐむ様子に僅かに眉を寄せた所に向けられた、問い。
白猫が首を傾げ、青年の碧に怪訝そうな色が浮かんだ]
ああ、エリィ……エーリッヒの研究の引き継ぎもせねばならないからね。
数日滞在したら、大学に戻らなければならないな。
後ほど、書籍を引き取りにもう一度来るつもりではあるが……それが、どうかしたかな?