[クロスされた腕>>1626を払うように、左前脚を振るう。
解かれた腕の奥、喉元近くへと、残った勢いをつけて上体を叩きつけて押し倒してゆく]
『癇癪だな』
[ひりつく痛みと目に入る血によって片目を瞑ったため、迫る腕>>1648にも直前まで気付けなかったが、それが身体を捕らえることはなく。あっけなく地面に組み伏せることが出来た]
『……どうした。気が変わったか』
[咽るほどの花香も掻き消え、呆けた声に動きを止める。
気が変わったのは、本当は自分の方。
苛立ちが収まると目の前の相手を屠ろうとする気持ちは休息に萎えた。まだ押し倒した体勢のまま、それでも静かに囁きかける]