[たゆたう闇色のヴェールの中。
オレは腕の中にゲルダを抱き締め、眠りから覚める。
オレに身を寄せるゲルダが起きているのか眠ったままなのかは分からなかったけど、傍に居ると言うそれだけでオレは満たされた。
ずっとこうやって傍に居たかったなんて聞いたら、ゲルダはどう思うだろうな。
でもこれを言う必要も、その答えを聞く必要もないのかも知れない。
今、こうして一緒に居ることが出来るんだから]
[死してからのことだったけど、オレは幸せだ。
オレの為した事が許されるとは思っていない。
それでも、こうしてゲルダと居られるのは、幸せだった]
[オレは目を瞑っているゲルダの額に唇を寄せる。
ホントは口にしてやりたかったけど、下手に動いて起こすのも気が引けた。
そうしてオレは、ゲルダを抱き締める腕に軽く力を込める。
二度と離れたくないと願うように]
[俺がしたことで誰かに恨まれても文句は言わない。
その恨みが身の枷になろうとも構わない。
唯一つ、自分が消滅するその時まで。
ゲルダの傍に居続けられたら、それで*良い*]