―教会―……ライヒアルト。[大切な友、だって。よかったね、ラーイ兄]それ、ラーイ兄のことでしょう。ライヒアルト=シュノールって、いったのよ。飴色の楽器を弾いてたの。[今はどこにあるか知らないけど。あ、いけない][少女は服の袖でごしごしと滲みかけていた雫を拭う]またくるなら、その時でいいの。いまの曲、わたしもひけるようになりたい。飴色じゃなくて、ピアノでいいから。……教えて、くれませんか……?[ガチガチに緊張しながら、少女は願った]