アルシオン=シュトラール……。
[聞き覚えの無い名を繰り返し、為される一礼を見つめる]
滅多に会うことの無い者が俺のことを知っていると言うのも不思議な話ですね。
世の全てに名を知られるほど大それたことをしたことは無いはずですが。
[あの大陸に転げ落ちてこの方、長生きはせども特に大きなことをしたことは無い。新設された機鋼学科の一期生が未だに居ると言う程度の話は珍しくも無いために]
…はぁ、力、ですか。
見せる必要性も感じないですけどねぇ。
[声にはやや呆れが乗り始める。肩に居る碧の異界龍は何かを感じ取っているのか、あれから口を挟んで来ない。更には、すすす、と肩から離れて行く始末]