――……まァ。 とっくの昔に、退治されちゃったんだケド、ね。[軽薄な笑みはそのまま、ただほんの少し眉が下がって。最後に思い出した部分を、肉声で付け加えた。崩壊が始まるのはその直後。足先から、指の先から、だんだんと輪郭が崩れ、花片のように散っていく。それらは身に触れたとしても、先のように傷つけることはなく。やがてただ一片と微かな香りだけを残し、跡形も無く消え去った。**]