あ。えっと。[もういいかい、という言い方に何となくドギマギしてしまう。今更取り繕っても仕方ないし、開き直るべきなんだろうに。相手がこの兄だから、だろうか]ちょっとだけなら、ある。あのヴァイオリンのこととか。[人に関することは、自分だけではどうにもならない。それが棘と残ったとしても乗り越えてゆく強さは、今、貰った]……うん。[兄から提案されたことは嬉しくて。ゆるされてもゆるされなくても、それを願ってみようと。そう、想い――**]