―金の映す世界―
[漆黒の獣は己の動かなくなった器と幼馴染の姿を映す。
金色の眸は固く閉ざされて只の躯と成り果てている。
其れでも幼馴染を離さんとするのは自らの獲物と思っての事。
同胞の手>>871が漆黒へと触れる。
引き剥がし銀の埋まる胸に同胞の貌が寄せられ名が紡がれた]
――…グラォシルヴ
[小さな頃から見詰め見守ってきた同胞。
一つ年下の幼くも元気な少女。
同じと知った時からリヒトにとって彼女は特別であった。
特別の意味も知らず同胞であり相棒だからと結論付けた女性。
彼女にだけは欲を向ける事はなかった。
何故なら、何時しか彼女は守るべき者になっていたから]