─遠い、遠い未来─
[小さな男の子に手を引かれ、岬の、大きな木の下にやってきた。
そこから見える景色が、この子のお気に入りで。
おばあちゃんと一緒に見たいからと言われたから。]
「おばあちゃん、見て見て!あそこ、お船が走ってる!」
あら、本当。どこに行くのかしらね。
「でっかいなぁ、僕、おっきくなったら船長さんになろうかな。」
良いわね。船長さんになれたら、おばあちゃんも乗せてくれる?
「うん、いいよ!一番きれーな海に、おばあちゃんつれてってあげる!」
あらまぁ、それは楽しみね。ありがとう。
「母さん、ヨアヒム。こんなところにいたの?
もう、ヨアヒムったらおばあちゃんに我が侭言っちゃダメでしょう。」