─墓地─
[ゲルダからの抱擁と言葉をただ黙って受け取り。
自分を支えられる存在で在りたいと聞けば、嬉しさを込めて背に回す手に力を込めた]
[抱擁を解いた後、”僕”を返すと聞いて翡翠が一度瞬く。
ゲルダの視線は自分から墓石へ。
それにつられて翡翠も墓石へと向けられた]
[語りかけるように紡がれる言葉。
弟に向けてのもの。
やがて紡がれる言葉に変化が現れ、ゲルダの意図をようやく理解した]
[口調が変われど、表情が変われど、大切な人であることに変わりなく。
献花をしようと言われ、微笑んで快諾した。
差し伸べられた手に自分の手を重ね。
並んで墓へと花を供えた]
[墓地を満たす花の香り。
生者の願いと想いを載せ、眠る彼らを優しく*包んだ*]