─修道院・廊下─
[廊下に出て直ぐ、右から駆けて来た何かにぶつかる。
短い悲鳴が口から漏れたが、転ぶようなことは無く。
廊下にひっくり返っている、脚にぶつかって正体に翡翠を向けた]
───大丈夫か?
[そこに居たのは10にも満たない歳の少年。
立ち上がらせようとして手を差し伸べて。
少年はミハエルと差し出された手を交互に見ていたが、にへらと笑ってその手を取った。
その様子に小さく笑んだ時に、少年の後ろから駆けて来る姿を見た]
ああ……僕にぶつかって転んでしまったのだ。
いや、怪我は無い。
[事情を聞いて謝罪して来るのは、ミハエルと同じ年頃の少年。
謝罪に首を横に振った後、幼い少年は笑いながら、もう一人の少年から逃げるように奥へと走って行ってしまった。
少年はそれを見て、転ぶなよ、と注意を背に投げかける]