……誰……だ?「通りすがりの世話焼き、と名乗っておくとしようか? ああ、案ずるな、噛み付きはせぬ故」[くすくすと、楽しげに笑うと、男はふわりと枝から舞い降りてきた。どこか古風な物を感じさせる、緋色の和装。まだ若い外見に似ず、瞳には老獪なものが浮かんでいる]それ、あからさまに怪しいんだが……。「そういうな。 ……ふむ。なるほど、確かに『失して』いるようだな。 とはいえ、完全な『消滅』には、至ってはおらぬようだ」……はぁ?