『捕まった後の方がこえーっつの』
[カリカリと破片を取り出していると、周囲に檻が作り為されて行く]
『……まっためんどくせぇものを。
俺は檻が大嫌いなんだよ…!』
[己を囲う物に良い思い出は無い。抜け出すにはだいぶ高さが出来てしまっているだろうか。ガシャン!と一度体当たりをしてみるも、簡単には壊れない]
『…だったら、術者を倒せば良い話だよなぁ?』
[妖狐の口端が裂けるように持ち上がる。身体より零れ落つる朱が、ゆらりと蒸発するように立ち上った。妖狐が口を開けると、その中に煌々と火球が作り出されて行く]