─森の番小屋─[──月が、高い。それを、窓越しに、しばし、見上げて]……んじゃ、俺、行くよ。[静かな言葉に、養父はそうか、と短く返してきた]……養父さん……俺……。[言いかける言葉は、そこで途切れ。舞い落ちる沈黙。養父は無言でこちらの頭に手を乗せ、ぐしゃり、と頭を撫ぜてきた]って……ガキじゃねぇんだからっ……。[むう、としつつ文句を言うものの、振り払いはせずに。その温もりを、確りと刻もうと]