―金の映す世界―
[漆黒の獣は夏の風がそよぐ湖畔で身を伏せていた。
不意に聲が聞こえ漆黒の耳がピクと震える。
ヴァイスルヴの聲>>1625に湖面を映す金色が微かに揺れた]
『――…ばぁか』
[常の口調で紡ぐ言葉。
其れはきっと一人生きて歩もうとする同胞に向けられたもの、
そう思ってはいたけれど答えずにはいられない。
何故なら、想い紡ぐ仲間もまた大事な存在であったから]
『いるに決まってンだろ。
ずっとお前の存在はあったし、これからも共にある。
――…寂しい事いうなよな、ヴァイス』
[ぱたりぱたり。
揺れる漆黒の尾に届いた聲と風。
湖面のように静かに紡がれた聲は案じるよう音色**]