[ゲルダはまだしばらくはと、自分の部屋に泊まっていて、
彼女が自分の家に戻ることになるのは橋が復旧する少し前のあたりになるだろうか。
夜中、かかる聞き覚えのある声、懐かしい感覚を覚えて自分はふと目を覚ますと]
クロ…っち……?
[かけられる言葉と、その姿に一度驚いてから、すぐに笑いかける。
アーベルとも会っていたこともあり、そういうこともあるだろうと]
いや……あまり気にするなよ。
別に誰が悪いなんて、ないしな。クロっちが背負い込むことはねぇよ。
[首を横に振りながらそう伝えて、それからの言葉に頷いて]
ああ、私は約束もあるしな。
[同じ死者の彼女は彼と会い、話を聞くこともあっただろうか]